シンガポールにも、所得控除(所得の計算上、給料等の収入から差引くことのできる金額)はあります。日本の皆様に関係ありそうなものをピックアップして解説します。
基礎控除
Earned Income Relief(就労所得に係る控除)という何もなくても差し引くことのできる控除。日本でいう、いわゆる基礎控除のようなものです。年齢に応じて控除額は変わります。
55歳未満 1,000 シンガポールドル
55歳以上59歳以下 6,000 シンガポールドル
60歳以上 8,000 シンガポールドル
この基礎控除額は税金計算上自動的に加味されます。
配偶者控除
Spouse Relief(配偶者控除)で、以下の要件を満たせば、単身赴任者にも適用されます(日本にいる配偶者でも適用可能です)。
①配偶者と一緒に住んでいるか 又は あなたが生活をサポートしているか
②配偶者の年間所得が4,000シンガポールドル以下であること
控除額は、2,000シンガポールドルです。
子供の扶養控除(Child Relief)
Child Relief(子供の扶養控除)で、以下の要件を満たすお子さん一人につき4,000シンガポールドルの控除ができます。配偶者控除と同様、同居の必要はありませんので、日本にいるお子さんの分も控除可能です。
①子供が16歳以下又は学生であること
②子供の年間所得が4,000シンガポールドル以下であること
生命保険料控除
意外と適用できるにもかかわらず見逃してしまいそうなのが、Life Insurance Relief(生命保険料控除)です。以下の要件を満たせば、日本と同様、保険料の控除が可能です。
(適用要件)
①CPF(シンガポールの年金制度)掛金の(従業員負担)額がS$5,000未満であること(日本人には関係ないので自動的に用件充足)
②従業員が本人又はその配偶者のための生命保険についてその保険料を支払うこと
③その生命保険会社がシンガポールに支店又は事務所を持っていること
(控除限度額)
以下のうち一番低い額
①S$5,000 (からCPFの従業員掛金の額を引いた金額)
②保険補償額の7% と 実際にその年に支払われた保険料額のいずれか低い方
加入している生命保険会社がシンガポールに拠点をもっているか、一度チェックしてみるのもいいかもしれません。
税率は低いですが、控除は掛け金全部になる可能性もあり、以外とインパクトが大きいかもしれません。