タックスリベート、難しいものでもないのですが、日本語への変換が意外と難しいですね。
タックスリベートというのは、要は税金の特別割引という感じのものですが、大きく分けて①所得の減額（軽減税率）②税金の減額（税額控除）の2種類があります。
①タックスリベート（所得の減額／軽減税率）
計算された課税所得減額することによって、結果的に税金を減額（割引）する方法です。
課税所得ごとの割引率と割引額は以下の通りです。
（通常の法人の場合）
・課税所得10,000シンガポールドルまで：75%軽減
・課税所得10,001～200,000シンガポールドルまで：50％軽減
最初の10,000ドルまでの所得に対しては75％の割引、つまり25％分にしか税金がかかりません。税率にすると17%×25%=4.25%です。
そのあと300,000ドルまでの所得に対しては50％の割引、つまり50％分にしか税金がかかりません。税率にすると17%×50%=8.5%です。
この制度、日本の中小法人に対する事業税の段階課税に似ていますね。400万円までは○○%、800万円までは○○% というやつです。
日本の制度では軽減税率と言っていますから、これも軽減税率と訳すべきかもしれませんね。
いずれにしても、17％でもとても低い法人税率ですが、所得があまりあがらないうちはさらに低く、実質的に8%程度で済むっということになります。
さらに強力なサポートが設立時には用意されています。
内容は上記と同じですが、設立時のサポートは別タイトルにした方がいいと思いますので、リンクを貼って分けたいと思います。
法人新設時の優遇税制はこちらをご参照ください。
②タックスリベート（税金の減額／税額控除）
2つめのタックスリベートは税金そのものが減額される割引制度です。
これはシンガポールの国家予算によって毎年改訂されるものです。
税金の額がある場合についてその一定割合を控除するものなので、税額控除に似ているかもしれません。
YE2024年は50%のタックルリベートが行われます。
※ YAとはYear of assessment の略で、賦課年度（確定申告をして税金が課される年度）を表します。シンガポールでは事業年度の翌年の11月が確定申告なので、課税対象事業年度は通常は表記されている年度より1年前の事業年度になります。 例えばYA 2024という場合、2024年1月1日～2024年12月31日の事業年度（12月決算の場合）を指します。
法人税額の計算シュミレーション
この二つのタックスリベートの恩恵を一番享受できる課税所得200,000シンガポールドルン場合のシュミレーションをしてみました。（YA2024を前提とします）
課税所得 ＄200,000
①タックスリベート △10,000×75% = △ ＄7,500
①タックスリベート△190,000×50% = △＄95,000
課税対象額 $97,500
法人税率（×17%）=$16,575
②タックスリベート（税額控除）（50％）＝△$8,287.50
法人税額 $8,287.50
(実効税率はなんと4.14%！）
