Company Secretary(カンパニーセクレタリ)、日本語だと会社秘書役とか単に秘書役などと訳されます。会社秘書役… って相当格好悪い響きですが、会社法上設置が求められている会社の機関です。
秘書役って何?
秘書役の業務
秘書役の業務は、総論的にいうと、会社の事務が会社法に準拠していることを担保すること。
具体的には、株主名簿・役員名簿・社債権者名簿等の各種名簿の作成・保管、定款の変更等の登録事項の変更業務、財務関係書類の登録業務、取締役会の議案・議事録の作成・保管、定時・臨時株主総会の召集通知の発送・委任状の作成・取り纏め・議事録の作成等を行います。また、そうした業務全般のスケジュール管理も重要な業務になります。
秘書役の資格
公開会社の場合は、弁護士や会計士等、会社法で秘書役になれる資格要件を定めていますが、非公開会社では特に資格は必要ありません。
日系企業が設立するのは非公開会社ですから、特に資格のある秘書役を探す必要はありません。
ただし、秘書役はシンガポール在住である必要があります。
取締役との兼任
取締役が複数いる場合、取締役との兼任は可能です(取締役1人の時は、兼任できません)
秘書役の選任
設立後6ヶ月以内に選任する必要があります。
悪質な会社秘書役にご用心!
上述のように、非公開会社の場合、会社秘書役に資格は必要ありません。つまり、現地に住んでいればだれでも会社秘書役になれますので、現地には秘書役業務を請け負う会社がたくさんありますし、表面的には格安なところも多いです。
しかし、秘書役の業務は会社法全般の知識を要しますので、価格だけにつられてそう言ったローカルを利用することはお勧めできません。英語や中国語が堪能で法律的な議論であっても全く支障がないとしても、現地の会社法の実務経験や知識がなければ、彼らの仕事が適切に行われているかチェックすることをチェックすることができないからです。何も問題がないように見えて、後で確認してみたら、必要な書類が作成されていなかったり、登録がされていなかったりということがよくあります。また、表面上の契約価格は安く見えて、ことあるごとに別料金を請求され、結局トータルでみたら安くなかったなどというケースもよく耳にします。
日系企業の皆様にはこういったトラブルに巻き込まれて欲しくありませんので、日系の会社設立支援業者や会計事務所をご利用することを強くお勧めします。